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【商品誕生秘話】100%=ソンプルサン

2022.03.31
365日のスペシャリテのひとつ。「100%=ソンプルサン」
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読み方は「ソンプルサン」です。
どう読んだらいいのかと、お客さんとして365日に訪れた私は一瞬困惑したことを覚えています。
ソンプルサンは、フランス語で100%という意味。
 
一体なにが100%なのでしょうか。
 
ソンプルサンは、小麦に対して水の配合が100%です。
 
もう召し上がられたことのある方はご存じかと思いますが、
ソンプルサンの特徴と言えば、そのモチモチの食感。
このモチモチの食感は、小麦と同量の水が配合されているから生まれています。
 
もともと、
杉窪が国産小麦を使うきっかけになった小麦が「キタノカオリ」です。
 
「キタノカオリ」の特徴は、色は黄色、乳製品のような甘い香りと、モチモチの食感。
 
そのキタノカオリを活かしたパンを作りたいという思いから
誕生したのが「ソンプルサン」です。
 
試作を重ね、
キタノカオリの潜在能力を最大限に味わえる配合が吸水100%だったのです。
 
ふっくら、中はみずみずしく、炊きたてのお米のような透明感がうまれました。
 
そして嚙めば噛むほどに小麦の香りと味わいが口に広がり、
「もう一口、もう一口」と食べていくうちにあっという間になくなってしまう、
中毒性のあるパンになっています。
 
少し専門的な話になりますが、
ソンプルサンはオーバーナイト法※で作られているのですが、パンチ※をしません。
※冷蔵発酵を一晩とる発酵方法
※発酵の途中で生地のガスを抜く作業のこと
 
オーバーナイト法は、一般的によくないとされる表面がブツブツとした”肌荒れ”が起こります。
オーバーナイト法のパンは、コシが弱く、焼成中に気泡があちこちから生地の表面を突き破って肌荒れが起こります。
そのため一般的には、コシを強くするためのパンチを行うことで肌荒れを防ぎます。
 
しかし、”肌荒れ”しているブツブツの表面は何がだめなのか。
ソンプルサンはオーバーナイト法のため”肌荒れ”が起きますが、
パンチをしないため”スッと噛みきりやすい食感”に仕上がっています。
 
パンチのメリットとしてはコシが強くなるので、肌荒れが起きにくくなるのですが、
デメリットとして、糖の消費が激しくなることで甘味が減ったり、
グルテンが強化されることで噛みきりにくい食感になります。
 
ソンプルサンはパンチをしないことで”スッと噛みきれる気持ちのいい食感・歯ざわり”を生み出した、つまり見た目より”食感”を優先させたパンなのです。
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(すこしザラザラした表面、これもソンプルサンの個性のひとつ)

365日に並ぶパンはこのように、一般的なパン屋さんでは見ないようなパンが多く並びます。
杉窪が本当においしいパンを作るために、パンづくりの常識を疑い、リノベーション(再構築)したからなのです。

今回取り上げたソンプルサンも、メリットとデメリットのバランスをうまくとって再構築した、分かりやすい例だと思います。
 
形はベーグルにも似ています。
「ベーグルは茹でて作るので、もさもさしていて美味しくない、美味しいベーグルを作りたい」
というところからこの形になりました。
 
「太さを不均一にすることで
 ふっくらしたところとキュッと詰まっているところをわざと作っている」んだそう。
 
たしかに、ボリュームがあるのですが、ペロッと食べれてしまいます。
 
これは食感に変化をつけて、飽きずに食べられるようにする、杉窪のデザインだったのです。

ちなみにソンプルサンのおすすめの食べ方は、
そのままはもちろん、ベーグルのようにいろいろな具材を乗せて食べる方法です。
とくに、動物性たんぱく質との相性が抜群で、
バター・ベーコン・ハム・スモークサーモンやオイルサーディンを乗せると絶品です。
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(アンプルサン:ソンプルサンの生地にあんバターの組み合わせ。)
 
和食との相性もいいので、ご飯派のみなさんにも食べていただきたい一品です。
 
「100%=ソンプルサン」の特徴
・すっとかみ切れる気持ちのいい歯ざわり
・みずみずしく、モチモチの食感
・噛めば噛むほど口に広がる小麦の香りと味わい
 
365日、365日と日本橋、365日とCOFFEEでご用意しています。
まだ召し上がられたことのない方はぜひお試しください。
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